虫歯は風邪などと同じく細菌(虫歯菌)が原因の感染症で、歯を失う方の30%以上が虫歯により歯を失っています。
日頃のお口のケア不足、食事や生活習慣の乱れなどから虫歯菌が繁殖し歯が溶け始めます。症状に合わせた適切なケアを行うことで、虫歯を予防することはできるのですが、実際には多くの方が虫歯になり症状が進行してしまい、大切な歯を削っているのが現状です。
患者様が一生涯しっかり食べられる健康な歯を維持していくために、虫歯のしくみを理解して、しっかり予防を行っていきましょう。
既にほとんどの方のお口にいる虫歯菌ですが、産まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯菌がいないことをご存知ですか?残念なことにそのほとんどの方が、食べ物の口移しによる母子感染や、成長する過程の中で虫歯菌に感染してしまうのです。
虫歯菌は私達の食後にもっとも活動が活発になります。
虫歯菌の活動によりお口の中が酸性になり、歯が溶かされリン酸やカルシウムなどが流れ出す「脱灰」が起こります。しかし、食後しばらくすると、唾液が持つ緩衝作用によってお口の中は徐々に中性に戻り、歯を修復する作用である「再石灰化」が始まります。
私達のお口の中では、「脱灰」と「再石灰化」が常に繰り返されているのです。
◎細菌とバイオフィルム
お口の中を不衛生なままにしていると虫歯菌が繁殖し、水には溶けないネバネバした物質を放出し、自身の排泄物や死骸などとともに「バイオフィルム」という生息環境を作ります。
バイオフィルムは虫歯菌の集合体のようなもので、歯磨きや抗菌物質でも除去することができないため、どんどん歯を溶かし虫歯を進行させていきます。
◎脱灰と再石灰化のバランスが大切です
脱灰と再石灰化のバランスを崩す大きな要因は間食です。
間食が繰り返されると脱灰の状態ばかりが続き、再石灰化の状態がほとんどなくなってしまいます。歯質が弱く唾液量が少ない体質の方だったら歯は溶けていくばかりです。
虫歯になりやすい方の傾向として、
などに心当たりのある方は、ホームケアはもちろんですが、歯科医院でのプロフェッショナルケアを行ってもらいましょう。
虫歯の治療法は、進行の度合いによって異なります。
痛みを感じてから来院される患者様の多くは、C2やC3以上に進行した虫歯であることがほとんどで、この場合、歯を削らないと痛みは取れません。COやC1の虫歯は痛みを感じないため、自分ではなかなか発見できませんが、早期に発見できれば、歯を削らず麻酔もせず治療することが可能です。
できる限り削らない治療を行うためにも、定期健診を受診し大切な歯を守りましょう。
◎表面麻酔で麻酔注射の痛みをやわらげます
歯の麻酔はそれ自体が苦痛なものです。
当歯科医院は必ず表面麻酔薬を使い、苦痛をできるだけ少なくするよう心がけております。
虫歯のなりやすさを「カリエスリスク」と言いますが、カリエスリスクは患者様により大きな差があります。生活習慣や体質も含めて、しっかりケアしていても虫歯になってしまう方もいれば、何もしなくてもほとんど虫歯にならない方もいます。
予防を実践していくためには、これらご自身の体質を知ることはとても重要なことです。
【 虫歯予防のための条件 】